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平成20年度


第15回 健康講座

「ストレスとのつき合い方―慢性頭痛の視点から―」
三越診療所神経内科・日本神経学会認定神経内科専門医・日本頭痛学会専門医・医学博士
横山 雅子

横山講師

皆で軽~く体操

会場内

概要

開催日時 平成20年6月4日(水曜日) 14時30分~16時00分
会場 武蔵野スイングホール(武蔵野市境2-14-1)
主催 公益財団法人 三越厚生事業団
後援 日本人間ドック学会
参加人数 101名(定員180名)

第16回 健康講座

「生活習慣と動脈硬化」
三越診療所副所長 山下 毅

会場の杉並公会堂

山下講師

満員の会場

概要

日時 平成20年7月1日(火曜日) 14時30分~16時00分
会場 杉並公会堂 小ホール(杉並区上荻1-23-15)
主催 公益財団法人 三越厚生事業団
後援 日本人間ドック学会
参加人数 171名(定員190名)

第17回 健康講座

「生活習慣と動脈硬化」
三越診療所副所長 山下 毅

1.動脈硬化について
 動脈硬化は増えている(特に若い世代が心配)
 古典的な危険因子(高コレステロール・糖尿病・高血圧・喫煙)に加え、 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が
 注目されている
 病気として軽い状態であっても重なると危険である(マルチリスクファクター)
 内臓脂肪がたまる事が悪いのではなく、インスリン抵抗性と炎症の存在がその病的な意義である
2.生活習慣との関係性
 危険因子は生活習慣に非常に関係している
 健康な生活習慣の推進のために
 1)適度なカロリー制限
 2)適度な身体活動量の増加 (インスリン感受性を高める)
 3)食事内容の変更・バランスの良い食事
 ・コレステロール:脂もの・卵内臓
 ・中性脂肪:アルコール・甘いもの
 ・高血圧:塩分
 ・糖尿病:一日のカロリー・食後高血糖
  食事と運動を一緒に気をつける事がより効果的である
  アルコールは適量を・禁煙は是非補助薬などで楽に実施を
  生活習慣(食事・運動・喫煙など)を変える事は難しい事であるが、 生活に余裕を持ち、
  楽しんで少しずつ行う事が重要である(行動療法)
  1)体重記録をつける
  2)内臓脂肪を意識する(体重・腹囲をコントロール)
  3)栄養指導を積極的に受ける
  4)楽しんでできる運動メニューを

会場の板橋区立グリーンホール

山下講師

満員の会場

Q&A
当日寄せられたご質問で、質疑応答時にお時間が足りずお答えできなかったご質問への回答です。

質問 回答
Q1.腹囲を小さくする際、機具による強制的なものは内臓に悪影響を及ぼすか?(70歳女性) 内蔵脂肪は付きやすくまた減りやすいので、食事(特に甘い間食やアルコール)に気をつけ有酸素+無酸素運動を行う事が有用です。あまり「局所痩せ」をうたっているような健康器具は良くないと思います。個人の状態により内臓に影響がある場合もありますが、いずれにせよ楽しんで長続きできるような運動がよいと思います。
Q2.アルコールの害について。(75歳男性) 虚血性心臓病に関してはアルコールは善玉のHDLコレステロールを増やすなどの良い働きがある事は明らかですが、量が多くなればなるほど癌を増やし肝臓病を悪化させる事も知られています。脂肪の面でも、中性脂肪を増やし、内臓脂肪につきやすくなります。このため、個人差が大きいのですが、週に1~2日の休肝日を含め、一日1合(~2合)程度の適量の飲酒が望まれます。
Q3.高脂血症とアルコールの関係、蒸留酒は?(61歳男性) アルコールにより肝臓における中性脂肪の合成が亢進し、血液中の中性脂肪が増えます。適量を超えた飲酒では、内臓脂肪(脂肪肝を含む)がつきやすくなり動脈硬化を進める方向になります。(適量では、同時に善玉のHDLコレステロールを増加させたり、血栓予防の効果があります)アルコールの種類についても多くの報告がありますが、醸造酒は有機酸やポリフェノールなど身体に有用な成分を含む一方食欲を増しやすくカロリー過多に気をつけなくてはいけません。ビールではプリン体(尿酸の前駆物質)も多く含みます。一方蒸留酒は一般的にアルコール濃度が高いために、胃に負担をかけやすく癌の原因になるとの報告が多く見られます。いずれにせよ適量飲酒を守る事が重要です。
Q4.遺伝による肥満の治療は?(60歳男性) 確かに肥満体質は遺伝する事がわかっており、40種以上の遺伝子が見つかっています。β3アドレナリン受容体遺伝子やレプチンに関するOb遺伝子などです。しかし「遺伝3割、環境7割」というように、生活習慣改善がやはり重要です。まだ実現されてはいませんが、将来は遺伝子診断による「その人にあった生活習慣改善の方法」や、遺伝子治療、抗肥満薬などが開発される事が期待されています。
Q5.心臓病の既往歴・家族歴をもつ場合(75歳男性) 講演でお話ししたように「家族歴」は重要な危険因子であります。しかし、現状では「体質」は変える事ができないので、生活習慣をご自身でできる範囲内でコントロールする事が重要です。また、一度心臓病になられた方は、将来再び心臓病発作を起こす事が多いので、主治医の先生のもとで、しっかりと治療を続ける事が必要です。
Q6.胃術後の食生活(68歳女性) 胃を摘出されているので、食後高血糖(その後反応的に低血糖)になりやすい、鉄欠乏性貧血・ビタミンB12や葉酸欠乏性の貧血になりやすい、さらに消化不良や逆流性食道炎を起こしやすいなどが考えられます。食後の高血糖を防ぐには、甘い糖分摂取を減らす事や一回の食事量の減量、ゆっくりした食事を心がけ、反応性低血糖を起こした場合は、飴などの摂取により症状は軽くなります。そして不足しやすい鉄分・ビタミンB12や葉酸を多く含む緑黄色野菜をしっかりと摂りましょう。
Q7.インスリンとは何語で日本語では?(72歳女性) 「島」をあらわすラテン語から派生した英語です。残念ながら一般的な日本語はありません。
Q8.高血圧は生活の見直しで改善するか?(72歳女性) 高血圧学会では生活習慣改善として、塩分を一日6g未満、野菜や果物(カリウム)の積極的摂取(腎臓病・糖尿病を除く)、適正体重の維持、運動療法、アルコール制限、喫煙などを勧めています。これで改善される方も当然おられますが、ご自身で積極的に血圧を測り、改善しない場合は、内服加療をお考えください。
Q9.70歳代では健診は年1回でよいのか?(72歳女性) 脂質異常や高血糖などの数値の異常のない方は、一般的には年に一回でよろしいかと思います。
Q10.脈拍45位は?(72歳女性) 体質的、自律神経の状態、スポーツ心臓などの場合、脈拍が一分間50回未満の徐脈になられる方はおられます。しかし動悸や息切れがする方、失神発作の既往がある方は、受診してご相談ください。
Q11.夜更かし型の睡眠は? 寝だめは?(77歳女性) 睡眠時間は個人差が大きく、重要な事は「睡眠の質」を良くする事です。日中眠くなる事や、寝足りないと言う自覚が無く、一定時間に起きる事ができる(日常生活に支障がなければ)なら、多少の夜更かし型でも問題はないのではないでしょうか?無理に早めに寝ようとしてもよけいに眠れなくなり、寝だめも基本的には不規則な睡眠となる可能性があります。熟眠する事ができれば、短時間でも脳や身体を休息させる事ができます。
Q12.特定健診をしない75歳以上の健診は?(77歳男性) 市区町村により異なります。介護保険のための健診を絡めて実施している場合もありますので、お住まいの市区町村にお問い合わせください。
Q13.メタボリックシンドロームの診断基準はどのようになるか?(83歳男性) 講演でもお話ししたように、世界的にも混乱しており、日本の基準も今後変わっていく事が予想されています。腹囲測定・値の見直しや腹囲を必須条件からはずす方向が世界的には考えられています。現状では診断基準にとらわれずに、その背後にあるインスリン抵抗性や炎症の存在などの概念を理解し、利用していく事が重要です。
Q14.医療費に影響はあるか?(83歳男性) 当然、保健指導の対象となる人数が変わりますので、医療経済に大きく影響すると考えます。厚生労働省の思惑通り、果たして生活習慣病(糖尿病)が25%減ってくるかに関わると思います。
Q15.認知症と動脈硬化?(82歳男性) 認知症の種類は、大きなもので「アルツハイマー型」と「脳血管性」があります。それ以外にもいろんな病気をもとに起こる場合があります。脳血管性痴呆は動脈硬化が原因で、小さなものから大きな脳梗塞を起こして、「まだら痴呆」を起こしてきます。
Q16.認知症と生活習慣?(82歳男性) 動脈硬化を進めないために、規則正しい生活、適量の飲酒、禁煙、適度な運動といった一般的な事柄の他に、ストレスを避ける、ずぼらでない生活態度、人と良くコミュニケーションする、良く笑うなどが予防のために勧められています。
Q17.生活習慣を改善すると認知症は改善されるか?(82歳男性) アルツハイマー型は徐々に、脳血管性は階段状に進行する事が一般的です。上記のような生活習慣で認知症を予防することは考えられていますが、根本的に年齢を超越して改善する事は難しいようなので、悪化させない・日常の生活レベルを維持することが目標になるかと思います。

概要

開催日時 平成20年9月2日(火曜日) 14時30分~16時00分
会場 板橋区立 グリーンホール (板橋区栄町36-1)
主催 公益財団法人 三越厚生事業団
後援 日本人間ドック学会
人数 164名(定員180名)

第18回 健康講座

「生活習慣と消化器病」
三越診療所所長 船津 和夫

1.胃腸・肝臓の病気
2.食道:逆流性食道炎(胃食道逆流症)
 逆流性食道炎の成り立ち
 逆流性食道炎の症状が起きたら
 胃食道逆流症の最近のトピック
3.胃:胃がん
 胃がんの症状
 早期胃がんの発見法
 胃がんの危険因子
 ピロリ菌と胃の病気
 ピロリ菌の検出方法
 ピロリ菌が関係した胃の病気
 胃炎・潰瘍・がんの成り立ち
 ピロリ菌は抗生物質で治療できる
 抗ピロリ菌を有する健康食品
4.大腸:大腸がん
 大腸がんの症状
 大腸がんとその予備群である大腸ポリープ(腫瘍)の予防法
5.肝臓:脂肪肝
 脂肪肝の原因
 NASH(非アルコール性脂肪肝炎)とは?
 NASHの頻度
 NASHの治療
 NASHの治療のポイント
 コーヒーは脂肪肝を予防する

船津講師

熱心に聴講される参加者の皆様

概要

開催日時 平成20年11月25日(火曜日) 15時00分~16時35分
会場 町田市文化交流センター6階 ホール(町田市原町田4-1-14)
主催 公益財団法人 三越厚生事業団
後援 日本人間ドック学会
参加人数 80名

第19回 健康講座

「ストレスとのつき合い方―慢性頭痛の視点から―」
三越診療所・日本内科学会認定内科専門医・日本神経学会認定神経内科専門医・医学博士
横山 雅子

1.頭痛とは:頭痛の種類と分類
 頭痛は幅広サインである
 1)病気のサインである頭痛
 2)そのものが病気の頭痛

 頭痛の分類
 1)一次性頭痛
  ・片頭痛
  ・緊張型頭痛
  ・群発頭痛および他の三叉神経・自律神経性頭痛
  ・その他の一次性頭痛
 2)二次性頭痛
  ・頭頚部血管障害による頭痛
  ・非血管性頭蓋内疾患による頭痛
  ・物質またはその離脱による頭痛
  ・感染症による頭痛
  ・ホメオスターシスの障害による頭痛
  ・頭蓋骨、頚、眼、耳、鼻、副鼻腔、歯、口あるいは
  ・他の顔面頭蓋の障害に起因する頭痛あるいは顔面痛
  ・精神疾患による頭痛
 3)頭部神経痛、中枢性・一次性顔面痛およびその他の頭痛
  ・頭部神経痛、中枢性顔面痛
  ・その他
 頭痛で受診する時に整理をしていった方がよいポイント
2.ストレスとは
 物理的刺激
 日常の出来事
 ライフイベント
 ストレスの個人差
 ストレスと病気の発症
 ストレスが関連する疾患
 ストレスがかかると体に起きる変化
 三つのSOSサイン
 医師が診察室でストレスの関与を疑うとき
 中年期、高齢期の状況
 ストレス耐性の強化因子
 健康づくりのための休養指針
 自分でできるストレス緩和法
 ストレスをためやすい人
 考え方のクセ!?
 タイプA型行動パターン
 自分にとっての優先順位は?生きがい?
 食事の機能
 不眠症
 良質の眠りのために
 健康に影響する主な因子
 笑いの健康効果

横山講師

全員で軽い体操

概要

開催日時 平成21年1月21日(水曜日) 14時30分~16時00分
会場 女性と仕事の未来館(港区芝5-35-3)
主催 公益財団法人 三越厚生事業団
後援 日本人間ドック学会
参加人数 202名

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